12月20日 説教要旨

恵みに感謝して応える

2020年12月20日 待降節第4主日・クリスマス礼拝
テトスへの手紙 第2章11-15節
牧師 木谷 誠

クリスマスおめでとうございます。新型コロナウイルスの影響で世界全体が揺り動かされています。本当にクリスマス礼拝をみんなで揃ってできるのか?とても心配でした。なんとかクリスマスを迎えることができてとても嬉しいです。聖書の言葉を通して、クリスマスの喜びを分かち合いましょう。
 「すべての人々に救いをもたらす神の恵み」とは何でしょうか?それはイエス・キリストがこの世界に来てくださったことです。神は、ご自身の愛を、この世界に、私たちに伝えるためにイエス・キリストをお与えになりました。高い天から見守るだけの愛ではなく、地上に降りてきて、人々と共に生きるためでした。神の国について教え、苦しむ人々に寄り添い、寂しい人の友となり、病気に苦しむ人をいやすためにイエス・キリストは来られました。そして罪深いわたしたち人間が神様にゆるしていただくために、イエス・キリストは罪の償いとしてご自分の命を捧げました。それにより、私たち人間は、罪をゆるしていただき、神様の愛する子どもとしていただくことができたのです。神の愛は、言葉だけではなく、行いを伴います。具体的で行動的な神の愛がイエス・キリストの生涯に示されています。これが救いの恵みです。そしてこの恵みはすべての人に与えられます。分け隔てはありません。この恵みをご一緒に確かめ、喜び、感謝しましょう。
 そして、わたしたちはこの恵みに応えていくことが求められています。人間は、もともと神様の愛と恵みに応えて生きる者として造られているからです。ちょっと難しい言葉ですが、これを「応答可能存在」と呼んだりします。私たちの身の周りには様々な誘惑があります。お金、名誉、地位、様々な物、快楽、神様を忘れてしまいそうな誘惑がいっぱいです。どうしたら誘惑に引っ張られないで、神様に喜ばれる歩みに止まることができるでしょうか?
 おかしなことを言います。誘惑に勝とうとするよりも、誘惑から逃れることです。主の祈りには、「われらを試みにあわせず、悪より救い出したまえ」とあります。またコリンとの信徒への手紙第一第10章13節には「あなたがたを襲った試練で、世の常でないものはありません。神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えてくださいます。 」とあります。誘惑は打ち勝つものでなく、会わないようにするもの、逃れるものであると聖書は言っています。それくらい誘惑はとても恐ろしいものなのです。
 そして誘惑から逃れるためには、一番素晴らしいものをしっかりと繰り返し確かめることです。それはイエス・キリストによって実現した「救いをもたらす神の恵み」です。イエス・キリストによって実現した「救いをもたらす神の恵み」にまさるものはありません。私たちは時々、一番大切なことを忘れて、そんなに大切でないことに心を奪われてしまいます。そして大きな過ちを犯してしまいます。クリスマスの大きな喜びをご一緒に確かめることが、様々な誘惑から離れる最も良い方法です。そしてこの大きな恵みに応えて、神様に喜ばれることを常に求めて生きることこそ、クリスマスに示された神様の恵みに対する正しい応答、「応え」なのです。神様の恵みを常に確かめ、感謝して、応える。クリスマスにこのことをまず確かめたいと思います。そしてイエス・キリストは再びこの世界に来てくださいます。救いを完成してくださいます。この世界が、どんなに揺れ動いても、この約束は変わりません。この約束を信じて、希望を持って歩んでいきましょう。クリスマス、おめでとうございます。

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