6月13日 説教要旨

喜びなさい

2021年6月13日 聖霊降臨節第4主日(世の光としての使命)
フィリピの信徒への手紙第2章12-18節
牧師 木谷 誠

 私たちは「間の時」を生きています。何と何の間なのでしょうか?それはイエス・キリストが昇天し、再びこの世界においでになるまでの「間の時」です。
 そのような「間の時」を生きる私たちに大切な姿勢は何か?それを今日の聖書は私たちに教えてくれています。それは従順です。心を低くして、神様の御心に従う従順こそ、私たちがイエス・キリストが再びおいでになる時まで生きる時に必要な姿勢です。そしてその従順の最高の模範がイエス・キリストです。そのことについては、本日の聖書(フィリピの信徒への手紙2:12-18)の前の第2章6節から11節に書いてあります。
 「間の時」という意味では、この手紙を書いたパウロと私たちは、同じ時を生きているということができます。この「間の時」を生きる時、最も大切な姿勢としての従順について、もう少し詳しく聖書から示されましょう。「13 あなたがたの内に働いて、御心のままに望ませ、行わせておられるのは神であるからです。」この従順は、神に従うことですが、もう少し詳しく言うと、自分の内に働いている神、すなわち聖霊の働きに従うことと言うことができます。この聖霊は、私たちの内に働いて、私たちに神様の愛を注ぎ、慰め、励まし、導きます。この聖霊に「従順」に従う時、私たちはそれぞれ自分の救いの達成に努めることができるのです。「救いの達成」それは遠い未来のことではなく、今の課題です。もちろんそれが完全に実現するのは、イエス・キリストが再びおいでになる時、未来のことです。
 しかし、今、その実現のために精一杯努めることが大切であり、それを支えてくれるのが聖霊の働きです。この聖霊の働きに従順に従うことによって、私たちも、さまざまな問題山積みの「邪悪な時代」の中で、「傷のない神の子」として輝くことができるのです。大切なことは独りよがりになって、自分の力でなんとかしようとすることではなく、私たちの内に働く聖霊に依り頼むことなのです。と言っても自分の内側で「聖霊が働く」とか、「神が働く」とか言われてもピンと来ない人もいることでしょう。私もそうでした。しかし、私たちは聖書を読み、祈る中で聖霊の導きをいただくことができます。従順の「はじめの一歩」は聖書を読み、祈ることです。イエスもよく祈る方でした。聖書の言葉を自分の内に豊かに蓄えておられました。祈ること、聖書を読むことによって、聖霊の導きが与えられます。そしてその導きに従う力もまた聖霊が与えてくれます。神様は私たちをそのような聖霊の住まいとしてくださっています。この聖霊に従順に従うことによって、イエス・キリストが再びおいでになるまでの「間の時」を神様の子どもとして歩む時、私たちは「神の子」として、救いの達成に向けて歩むことができます。そして大きな喜びが与えられるのです。

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