10月24日 説教要旨

時がある

2021年10月24日 降誕前第9主日・
分区講壇交換(創造)
コヘレトの言葉第3章1-8節
牧師 古谷 健司

 8年前、東日本大震災の被災地で姜尚中(カン・サンジュン)氏の講演を聞いた。「順境には楽しめ、逆境にはこう考えよ。人が未来について無知であるようにと神はこの両者を併せ造られた、と。」(7:14)
 3/11は第二の8/15になるはずだった。人が自らの傲慢さに気づき、共に生きる世界を取り戻し始める日となるはずだった。
「貧しくても利口な少年の方が 老いて愚かにになり 忠告をいれなくなった王よりも良い。」(4:13)心を柔らかにし、幼子の笑みに癒される術(すべ)を再び手にしよう。
 「すべては空しい。」(1:2)先のことは分からないからこそ今の命を大切にしよう。災害の最も激しい時期を迎えたことを子どもたちにも伝え、そのことに向き合おう。支え合う力、愛こそが私たちの最後の力なのだから。
 閉会礼拝は私の担当。「姜さん、すべてのわざには時がある(3:1口語訳)んですよ」。姜氏を信仰へと導いた土門一雄牧師の言葉を紹介した。私はその土門先生の「いい教会だよ。行きなさい。」の一言で四国の教会に赴任した。全ては繫がり、全てに時、御神の配慮がある。

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